ガリレオX

動物の”匂い”・人の”香り”嗅覚研究最前線

BSフジ
本放送:11月29日(日)昼02:27~12:00
再放送:12月06日(日)昼11:30~12:00

私たちの周囲には常に「匂い」が存在するものの、それを”切実なサイン”として受けとることはほとんどない。しかし動物にとって嗅覚は、常日頃から身の回りの匂いはエサのありかや、危険の察知、異性の存在を見つけるなど、生きていくために欠くことのできない感覚の一つだ。ヒトだけ異なっているのか? 私たちにとって、嗅覚とはどのような感覚器官なのだろうか?嗅覚研究の最前線に迫る。

匂いの趣向は先天的? 後天的?
人は「匂い」に対して様々な好みを持っているが、それは生得的なものなのか、それとも後天的なものなのだろうか。この問題を巡って、面白い実験が行われた。バラと糞便の匂いがする箱を用意し、そこに30人ほどの幼児を集めて匂いを嗅いでもらい、どちらの箱に入りたいのかを調査した。私たち大人ならば恐らくほとんどの人は、糞便臭のする箱には向かわないであろう。だが、幼児での”好みの匂い”実験結果は驚くべきものとなった。

匂いがもたらす人の情動の変化
匂いは、私たちの心理にも様々な影響を及ぼしている。例えば、ある匂いをかいだときに、懐かしさや昔の記憶が突然蘇るといった体験は誰もが持っている。このような効果は心理学の世界では「プルースト効果」と呼ばれているのだが、このプルースト効果を実験的に再現することで、嗅覚の特性を探ろうとする研究も進められている。そこから見えてくる匂いと

匂いと医学
嗅覚の応用研究は、医療の現場でも現在用いられ始めている。その一つがパーキンソン病の診断指標として用いられている「においスティック」だ。口紅に似たスティック12本を用意し、それぞれにカレーやひのきなど様々な匂いがつけられており、その匂いを同定してもらうというもの。パーキンソン病は、その発症の前段階として、様々な匂いを知覚できなくなる嗅覚障害が起きることが報告されているため、スクリーニング検査となるのだ。

嗅覚研究最前線!
“匂い物質”を構成する分子が我々の鼻に届くことによって匂いは知覚されるのだが、問題となるのは、その受容のメカニズムである。近年、その受容メカニズムはヒトと同じ哺乳類であるマウスを使う検証で明らかになってきた。そして、もう一つの大きな嗅覚の謎は、鼻で受容された匂いはどのような処理を経て、行動や情動に変化を与えるのかという「神経メカニズム」の解明である。その謎を解明するために最前線で研究に取り組んでいる研究者らの姿を追う。


主な取材先
東原 和成さん(東京大学大学院)
小早川 達さん(産業技術総合研究所)
小林 剛史さん(文京学院大学)
飯嶋 睦さん(東京女子医科大学)
鈴木 隆さん(高砂香料工業)

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